法律演義

ロースクール修了後、企業法務の道へと進んだビジネスロイヤーによるブログ

初学者にもオススメしたいブログを活用した法律勉強法

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はじめに


 早いもので、私もこのブログを始めてから2年の月日が経った。ブログやサイト運営については何の経験もなく、HTMLやCSSといった専門的な知識も皆無と言って等しい程の私であるが(今でもさっぱり分からないが)、更新したり、更新しなかったり…という事を繰り返しながらも、2年続けてきたことにより、ブログを書くことによるメリットが非常に大きいという事に今更ながら気が付いたので、今回記事にしてみようと思う。


ブログの活用とは?


 まず、「ブログを活用した法律勉強法」と銘打っているが、これから書くことは別に法律の勉強に限らない。その他の分野の勉強にも当然に当てはまることなので、最初に断っておく。

 さて、ブログの活用と言われてもピンと来ない方の為に一言添えておくと、筆者の真に言いたいことは「ブログを更新し続けることで、勉強のモチベーションを維持する」という一点のみである。書く内容・テーマは何でも言いと思う。「大学やロースクールで習ったことの復習を兼ねて、その日の講義内容をまとめたものを書く」とか、「基本書の批評をする」とか、「判例を自分なりに解釈したものを書く」とか、更に言うなら日記でも良い。要するに、書き続ける事によって、自分自身の勉強のモチベーション維持に資するもの、勉強のペースメーカーとなりうるものであれば、何でも良いというわけだ。

 しかし、これに対しては、「何故、ブログというツールを使わなければならないのか?」「オフラインで、ノートやメモを取るなどすればそれで十分ではないか?」といった意見もあると思う。勿論、何が何でもブログじゃないと駄目だと言うつもりはない。ただ、ブログには次のようなメリットがある。


1. 色んな人の目に触れる事になるので自分自身に緊張感を持たせることが出来る。

2. 上記理由により、いい加減な事は書けないのできちんと情報分析・情報整理をするようになる。

3. ブログを通して、読者や他のブログ主と交流でき、新たな人脈を構築出来る。

4. ブログのアクセスアップが良い刺激となり、更なるモチベーションアップに繋がる。

5. ブログを更新し続けることによって文章を書く練習になる。


 上記メリットのうち、非常に大きいのは1であるので、別にブログではなく、Facebook や Twitter などの他のソーシャルメディアでも構わないのだが、原則として、ブログのように記事をカテゴリー分けしたり出来ないので(投稿をカテゴリー分け出来るサービスもあることにはある)、後から自分で見直したり、記事にリンク一つを貼るのも一苦労になってしまうし、デザインやスタイルを自由に変更出来ないといった難点もある(既に、Facebook や Twitter をやっているという人は、ブログと連携するという手もあるので、二者択一の考えに陥る必要はないだろう)。

 また、ブログだと、簡単にアクセス数を調べることが出来るので、上記4のメリットを享受しやすいという点も挙げることが出来る。


ブログの開設方法


 次に、どこでどうやってブログを開設すれば良いのか。そこまで本格的にやる必要は無いので、無料でブログを開設できるサービスを利用するのが良いかと思う。私は Livedoor Blog を利用しており、個人的にはオススメだが、無料ブログサービスの比較を行っているサイトをいくつか挙げておくので、これらの無料ブログ紹介記事・比較記事などを参考にしながら、自分に合った無料ブログサービスを見つけて欲しい。


無料ブログの達人 おすすめ無料ブログ 一覧表 … 分かりやすい表を使って無料サービスの比較を行っています。

無料ブログとWordPressを比較。メリット・デメリットは何? … 無料ブログサービスとWordPressとの違いを分かりやすく解説!

今からブログを始めたい人のタイプ別な無料ブログ … 無料ブログサービスをタイプや用途別に分類・比較されています。


ブログを続ける上で気を付けて欲しい3つの点


適度にアクセスを増やしつつ、バランスを図る。

著作権や商標権等を侵害しないよう注意を払う。

負担になるようであれば辞める。


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①適度にアクセスを増やしつつ、バランスを図る。

 このブログも、それなりに多くの方にアクセスして頂けるようになったが、やはりブログへの訪問者数が1日1人、2人というアクセス数ではモチベーション維持には繋がりづらいだろう。かと言って、月間10万PV(※)超えのモンスターブログにまで成長させてしまうと、逆に書きたいことが自由に書きづらくなってしまうといった弊害もあるかと思う。そこで、適度にアクセス数を増やしつつ、自分のやりやすい規模でブログを続けていくという事が肝要である(別にアクセス数がゼロでも良いという人は読み飛ばして欲しい)。

 「ブログ  アクセスアップ」といったキーワードで検索すると、アクセスアップ方法について書かれた記事がいくつもヒットする。筆者も、これらの紹介記事を参考にしながら試したみた方法もいくつかあるが、筆者個人としては、「優良コンテンツを増やすこと」「更新頻度を一定程度保つこと」「被リンクを増やすこと」が特に重要だと思う。逆に、やってみたものの、途中でやめてしまったものに「ランキングサイトへの登録」がある。一時的にアクセスアップに繋がるものの、ランキング上位を維持しないとあまり意味がない上に、不正行為(?)が横行していたらしく、あまり良いイメージも無かったので、結局バナーも全て撤去した。

※ PV数とは、ページビューイング数を指し、最も基本的なアクセス数解析指標の一つである。他方、UUとは、ユニークユーザーを意味し、訪問者数を指している。例えば、1人がブログを訪れ、3つの記事を閲覧したとすれば、UU1、PV3となる。


②著作権や商標権等を侵害しないよう注意を払う。

 当たり前の話であるが、他者が執筆した文献やネット上の記事、画像、動画といったものには、ほとんど全て著作権がある。これを引用の範囲を超えて勝手に使用すれば、著作権侵害や商標権侵害とされることもあるので、注意が必要である。


③負担になるようであれば辞める。

 これまた当たり前の話であるが、ブログを始めてみたものの、やっぱり自分の肌に合わないという場合は潔くやめよう。また、ブログをやり始めると、アフィリエイトなどにも興味が湧き、そちらをメインで頑張るようになる人もいる。だが、あくまでもブログは日々の勉強を助ける補助ツールであって、本業ではない。あまりブログにのめり込み過ぎ無い方が賢明である。もっとも、ブログを地道に続けていれば、新たな出会いもあれば、将来のビジネスチャンスに繋がることもある。そういった可能性を秘めた情報発信ツールであるということは、頭の片隅に置いていても損はないと思う。


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行政上の義務履行確保

今回の記事で取り扱う内容


 記事のタイトルを「行政上の義務履行確保」としたが、今回は、行政強制の歴史的沿革、行政代執行固有の問題、行政上の義務履行確保と民事執行との関係という点に絞って議論を進めたい。なお、行政罰やその他の義務履行確保についてはまた機会を改めて書きたいと思う。


行政強制の一般的授権規範としての行政代執行法


 現在、行政強制を認める一般的授権規範は行政代執行法のみである。このような制度の仕組みに至った経緯については有名であるが、再度問題点を整理する意味でも確認していきたい。

 まず、戦前においては、行政行為に自力執行力があることを根拠に、個別の法律上の根拠なくして、行政行為の内容を強制的に実現することが出来るという考え方が有力であり、そのような考え方の下、旧国税徴収法・行政執行法によって、公法上の金銭給付義務、代替的作為義務、非代替的作為義務、不作為義務のいずれについても行政強制による義務履行実現が可能であった。しかし、戦後になると、行政行為に自力執行力があるという理論は否定され、義務の履行を強制するには、個別の根拠が必要と解されるようになった。そして、行政執行法には人権侵害の弊害があると強い批判を受けたために廃止され、代替的作為義務を強制することの出来る一般法たる行政代執行法が制定されるに至る。執行罰と直接強制の一般法は制定されていないが、個別法によってこれを認めることも可能である(行政代執行法1条)。なお、条例に基づき行政上の義務履行確保を認めることが出来るかという点については、行政代執行法1条と2条の文言を根拠に、これを否定する見解が多数説であるが、①義務の存在を前提としない即時強制ですら条例を根拠規範として行えると解されているのに、義務の存在を前提とする執行罰・直接強制について条例を根拠規範として行えないのは均衡を失する、②行政代執行法1条が「行政上の義務の履行確保」と規定したのは、立法当時に存在した手段を念頭に置いたものと解するべきであり、その当時存在しなかった新たな義務履行確保手段まで含むものではない、といった理由から、条例を執行罰・直接強制の根拠規範としうるという見解もある(宇賀克也『行政法概説Ⅰ-行政法総論-』第3版・209頁)。


行政代執行法に残された問題点


 代執行は、①法律(命令・規則・条例を含む)により直接に命ぜられ、又は法律に基づき行政庁に命ぜられた行為であって、②当該行為が代替的作為義務であり、③義務者がこれを履行しない場合に、④他の手段によってその履行を確保することが困難であり、且つ、⑤その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときに限って、これを行うことが出来るとされている(行政代執行法2条)。代執行を行うに当たっては、戒告、代執行令書による通知、執行責任者であることを示すべき証票の呈示、費用の徴収という手続を経る(行政代執行法3条、4条、5条、6条)。

 上述の通り、問題点が多いと指摘され廃止された行政執行法に代わり、新たなに制定された行政代執行法であるが、これまた問題点が指摘されている。一つは、「他の手段によってその履行を確保することが困難であり、且つ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるとき」という要件である。この要件は、代執行が濫用されないよう、比例原則の徹底を求める趣旨であるが、この要件は必ずしも明確とは言えず、代執行を妨げる最大の要因となっているのが現状である。また、判例は、戒告・代執行令書による通知に処分性を認め、執行前の取消訴訟の途を開くことによって救済を図っているが、ただでさえ、代執行費用の徴収が困難であるのに、更に訴訟費用まで掛かるという事になれば、余計に代執行に躊躇することになる。このように、行政代執行法に対しては、多くの学者が機能不全に陥っていると指摘しており(前掲宇賀・215頁、阿部泰隆『行政の法システム』第9章・421頁以下等)、制度自体の見直しが必要との声が強い。


行政上の義務の民事執行


 では、行政上の義務を民事執行によって実現させることは可能なのだろうか。この議論には、2通りの問題提起が可能であり、一つは、「執行罰や直接強制のように、法律上義務履行確保手段が認められていない行政上の義務について民事執行が可能か」というものと、「代執行や行政上の強制徴収のように法律上義務履行確保手段が認められている場合に、敢えて民事執行を求めることは可能か」というものである。

 まず前者について、かつては下級審判例においても、民事執行の可能性を肯定しており(大阪高決S60.11.25、盛岡地決H9.1.24など)、学説においてもこれを肯定する見解が多かったが、最高裁は、「財産権の主体として自己の財産上の権利利益の保護救済を求める場合には、法律上の争訟に当たると言うべきであるが、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とするものであって、自己の権利利益の保護救済を目的とするものということはできないから、法律上の争訟として当然に裁判所の審判の対象となるものではなく、法律に特別の規定がある場合に限り、提起することが許されるものと解される」として、行政が財産権の主体とならずに行政上の義務の履行を求める場合、行政の主観的権利は認められず、裁判上民事執行を求めることは出来ないとした(最判H14.7.9 民集56巻6号1134頁)。この判例に対しては学説上批判が強く、法律や条例に基づき義務を課すことは出来るのに、その義務の履行を強制出来ないというのは不合理であるといった指摘がある(阿部泰隆『行政上の義務の民事執行』自治研究55巻6号・11頁以下)。

 次に後者についても、農業共済組合に対して農業共済保険料等の債権を有する農業共済組合連合会が、農業共済組合が組合員に対して有する共済掛金等の債権を保全するために、農業共済組合に代位して組合員に対して共済掛金等の支払いを求める民事訴訟を起こしたという事案に関し、最高裁は、農業共済組合が有する共済掛金等の公法上の債権については、行政上の強制徴収手段を与えられており、この手段によることなく一般私法上の債権と同様に、民事執行によって債権の実現を図ることは、立法の趣旨に反し、公共性の強い農業共済組合の権能行使の適正を欠くとし、農業共済組合連合会による代位行使も許されないとした(最判S41.2.23 民集20巻2号320頁)。この判例に対しては、多くの学説が肯定しており、「法律が行政上の強制徴収という簡易迅速な手段を認めている場合に敢えて迂遠な民事執行手続によるべきではない」という、いわゆるバイパス理論が根底にある(阿部『行政法の解釈』313頁など)。しかし、民事執行よりも行政上の強制徴収手段の方が簡易迅速と言えるかは疑問であるという論者(前掲宇賀・219頁)や、バイパス理論自体を「時代遅れ」と酷評する論者もいる(櫻井敬子 - 磯部力ほか『公共サービス改革』法教313号30頁)。また、本件に関して言えば、何故農業共済組合連合会による代位行使が許されないのか説明不足であるとの指摘もあり、本判決を今後もスタンダードとして位置づけていくのは検討が必要になるだろう。

 このように、いずれの問題提起に対しても、最高裁は否定の態度を採っているが、現行法における行政上の義務履行確保が上手く機能していないという現状を考えれば、制度自体を根本的に見直すか、司法手続による義務履行の実現可能性を拡大する方向で議論を進めていくべきかと思う。



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